コラム

第三者承継のメリット・デメリット

クリニック・診療所における第三者承継というと、どのようなイメージをお持ちでしょうか?譲り渡す先生方の中には、親族承継とは違い、売却やM&Aといったワードから、少しネガティブな印象をもたれる方もいられるかもしれません。ただ近年、医療機関、特にクリニック・診療所の後継者“不在”は大きな問題であり、その選択肢として第三者承継は積極的に選ばれている傾向にあります。今回はそんな第三者承継のメリット・デメリットについて、簡単にまとめてみました。

第三者承継は“三方良し”のポジティブな選択肢

前述のとおり、クリニック・診療所の後継者“不在”は大きな問題となっています。ある調査によると、現時点で後継者がいない無床診療所は、全体の50%超との報告もあります。クリニック・診療所は、地域のかかりつけ医として最も住民に身近な医療機関となりますので、それが無くなることは地域の住民の生活にも影響を与えることになります。

これまで承継というと、親族承継が一般的でした。親族以外の承継、つまり第三者承継はどちらかというと最後の選択肢というイメージであったと思います。しかし近年は、後継者不在や、開業する先生も継承開業を積極的に選択されることから、この第三者承継のニーズは高まっております。また第三者承継は、「譲り渡す先生」「引き継ぐ先生」「地域の住民」の3者につぎのようなメリットがある選択肢ということで、積極的に選ばれています。

 

【譲り渡す先生のメリット】

  • 後継者問題が解決できる
  • 経営責任からの解放
  • 創業者利潤の獲得
  • セカンドライフの充実

 

【引き継ぐ先生のメリット】

  • 既存患者を引継げる
  • 患者を知る職員の継続雇用
  • 経営が軌道にのりやすい
  • 初期投資の負担が比較的小さい

 

【地域の住民のメリット】

  • 地域医療の存続(地域視点)
  • かかりつけ医機能の継続
  • 雇用の維持、確保
  • 利便性の確保(社会インフラ)

譲り渡す側のデメリットは?

上記のように第三者承継は“三方良し”のポジティブな選択肢といえます。ではデメリットはないのかというと、メリットがあればデメリットもあります。譲り渡す先生側のデメリットとしては、つぎのようなことが考えられます。

  • 情報漏洩による風評被害

検討段階での曖昧な情報が洩れることで、職員や患者に不安感を与えてしまう可能性あります。ただここは情報管理をすること、またある程度の段階がきたら職員にきちんと伝えることができれば、防止できることになります。

 

  • 承継後の想定外の損害責任の発生

契約の段階で、譲り渡す側が引き継ぐ側に表明保証というものを行います。表明保証とは、「売り手が買い手に対し、最終契約の締結日や譲渡日等において、対象医療機関に関する財務や法務等に関する一定の事項が真実かつ正確であることを表明し、その内容を保証するもの」です。例えば、過去に適正に納税してきたこと、診療報酬の不正請求を行っていないことなど、表明保証した内容と真実が異なっていた場合には、損害賠償などを請求されることもあります。

 

このように第三者承継にはメリットもあればデメリットもあります。上記のようなデメリットを抑えたうえで、取組んでいくことが大切といえます。

【クリニック・診療所の事業承継の検討をはじめたい先生方へ】

当社では無料相談を実施しております。クリニックの事業承継・M&Aを成功させるためには、早い段階でのご相談が有効です。その方が選択肢の幅がグッと広がり、スムーズな事業承継・M&Aが可能となります。ぜひお気軽にお問い合わせください。

お気軽にお問合せ・ご相談ください

お電話でのお問合せ・ご相談はこちら
03-6451-1606

お気軽にお問合せください

お電話でのお問合せ・相談予約

03-6451-1606

フォームでのお問合せ・相談予約は24時間受け付けております。お気軽にご連絡ください。

医療総研株式会社

住所

〒150-0002 東京都渋谷区渋谷1-7-5